Xのarticleとnoteの使い分け──ストック型とフロー型という視点から
はじめに
最近、Xにarticleという長文投稿機能が実装されました。これにより、わざわざ外部リンクへ飛ばなくても、タイムライン上で直接記事が流れてくるようになっています。
この動きを受けて、「Xからの流入に依存していたnoteはもうオワコンではないか」という声も見かけるようになりました。確かに、X上で記事の読み書きが完結するのであれば、noteの存在意義が薄れるという見方にも一理あります。
ただ、私自身はそうは思っていません。両者にはプラットフォームとしての性質に明確な違いがあり、それぞれに適した使い方があるはずです。今回は、私なりにこれらのプラットフォームを整理してみます。
noteが支持されてきた理由
ブログを書いてみたいと思ったとき、選択肢はいくつかあります。アメブロやはてなブログといった従来のサービスはやや時代を感じるようになり、WordPressは自由度が高い反面、セットアップや運用のハードルが決して低くありません。
そうした中でnoteが多くの人に選ばれてきたのは、「気軽に書ける」という一点に尽きるのではないでしょうか。
まず、Xからの流入によってコミュニティ内の周遊性がある程度担保されるため、SEOを意識しなくても読まれる導線が自然に生まれます。「とにかく書けば何とかなる」という安心感は、書き手にとって大きいものです。
そしてもう一つ、装飾がほとんどないプレーンなデザイン。ミニマルであることが好まれる時代の空気にうまくマッチしていました。ブログのCSSに頭を悩ませる必要がなくなったのは、書くことに集中したい人間にとって非常にありがたい変化だったと思います。
つまりnoteの良さを一言でまとめるなら、「自分であまり考えなくていい」ということに集約されるのではないか、と個人的には解釈しています。
Xのarticleとの違いはどこにあるのか
では、Xに搭載されたarticle機能はどうでしょうか。
記事を書くという基本的な機能においては、noteと大きな差はありません。装飾がミニマルである点も同様です。表面上の使い勝手だけを見れば、ほとんど同じに感じるかもしれません。
しかし、両者の間には本質的な違いがあります。それが「ストック型」と「フロー型」という性質の差です。
ストック型のnote、フロー型のX
noteはストック型のプラットフォームと言われています。一度投稿した記事は時間が経っても読まれ続け、蓄積されるほどに資産として積み上がっていくタイプです。
一方、Xは本質的にフロー型のメディアです。そのときそのときに読まれ、時間の流れとともに過去へ押しやられていきます。これは通常のポストに限った話ではなく、article機能で書いた長文記事であっても同様です。
どちらが優れているという話ではなく、一長一短です。
たとえば、今まさに話題になっているトレンドについて書くのであれば、Xの方が有利でしょう。タイムラインの流速に乗って多くの人の目に触れる可能性があります。ただし、その波は一瞬で過ぎ去っていくため、ある程度フォロワーを抱えている人でないと十分なリーチを得るのは難しいかもしれません。
逆に、特定のテーマについてじっくり書いた記事を長く読んでもらいたいのであれば、noteの方が向いています。検索やカテゴリ経由で後からたどり着く読者がいるため、公開から時間が経っても一定のアクセスが期待できます。
ではこのブログは何なのか
ここまで書いておいて、ではこの個人ブログはどういう位置づけなのかという話になります。
正直なところ、趣味的な側面が大きいです。自分が試したことや考えたことの備忘録を兼ねており、検索から誰かがたどり着いてくれたら嬉しい、くらいの温度感で運営しています。
あわよくば、記事を読んでくださった方が自分のプロダクトにも興味を持ってくれたら──そのくらいの気持ちで、このブログを書いています。