ずぼらメモを作った理由──メモの整理が続かない自分のために

はじめに

無秩序に散らかっているメモのイメージ

自分はメモを取るのが好きです。
思いついたことはすぐ書くし、仕事のメモも読書メモもとにかく残す。
ただ、書いた後の整理がまったく続きません。

何がダメかというと、まず色んな種類のメモが1つの場所に混在します。
仕事のタスク、ふと浮かんだアイデア、調べたこと、買い物リスト。
性質がまったく違うものが同じ場所にどんどん積み上がっていく。

そうなるとタグ分類が必要になりますが、これが特に面倒です。
メモを書くたびにタグを選んだりフォルダを決めたりする作業が挟まる。
面倒だからやらない。
やらないから未分類のメモが溜まっていく。

そして溜まったメモの中から何かを探すのも面倒です。
複数のメモをまたいで振り返りたいときに、どこに何を書いたか思い出せない。
かといって過去のメモに書き足そうにも、そのメモ自体を見つけるのが手間です。
もっと言えば、過去にそのメモを書いたこと自体を忘れている場合すらある。

もっと気軽に、アクション少なく、メモだけに集中したい。
音声でもサクッと入れたい。
ここが出発点でした。

Notionでもダメだった

高機能なツールなら解決できるだろうと思い、Notionを使っていた時期がありました。
プロパティを組んでデータベース化すれば管理できるだろうと。

結果は逆でした。
かえって煩雑になりました。

プロパティの設計を考えて、ビューを作って、フィルタを設定して。
確かに機能は揃っています。
ただ、その管理コストが高すぎる。

AI機能も一応ありますが、別途課金が必要です。
しかもAIを入れたところで、プロパティの管理は手動のままです。
フィルタリングにたどり着くまでのアクション数も変わらない。

整理のための整理をしている。
その感覚がずっと抜けませんでした。

問題は「メモアプリの機能が足りない」ことではなくて、「整理という行為を自分がやっている」こと自体にある。
ここに気づいたのが、ずぼらメモの設計に踏み切ったきっかけです。

基幹の機能

AIが自動で整理・タグ付けするイメージ

整理を自分でやらなくていい仕組みにしたい。
そう考えて、基幹の機能は2つに絞りました。

1つ目が、AIによる自動タグ付けです。
メモを書いたら、その内容をAIが解析して適切なタグを勝手に付ける。
自分でタグを考えて選ぶという作業がなくなります。

Notionでタグ付けが続かなかった理由は明確で、自分がやらないといけないからです。
プロパティ管理も手動、フィルタリングもアクション数が多い。
ずぼらメモではそのすべてをAIに投げて、ユーザーはメモを書くだけでいい状態にしました。

2つ目が、複数メモのメタまとめです。
タグでフィルタリングしたメモ群を、AIがさらに1つの文章に統合してくれる。

これは「過去のメモを探すのが面倒」「そもそも何を書いたか忘れている」という問題へのアプローチです。
探す必要がない。
AIがまとめて読み上げてくれるから、自分で過去メモをたどる作業がいらなくなります。

この2つだけで、自分が長年抱えていた「書くけど整理できない」問題はだいたい解消しました。

プロンプトで化けた

基幹機能だけでもメモアプリとしては成立していたのですが、ここからさらに面白くなりました。
Proプランで追加した、カスタムプロンプトの話です。

まず、まとめを生成するときに出力形式を指定できるようにしました。
そのときどきで欲しいまとめの形式は異なります。
箇条書きで要点だけ欲しいときもあれば、もう少し文章っぽく整理してほしいときもある。
その切り替えがプロンプト1つでできるようにした。

さらに、メモの時点でもプロンプトを仕込めるようにしました。
デフォルトのプロンプトを自由に変更できるので、メモを書いた瞬間にAIがそのプロンプトに沿った応答を返してくれます。

メモにもまとめにもプロンプトが入る。
この設計にしたことで、使い方が想定を超えて広がりました。

ブログの下書きに使える

まとめプロンプトにこう書いておきます。

「ブログ記事のような構成でまとめて」

すると、複数メモを統合した草稿が出てくる。
日々のメモをバラバラに書いていても、それを1本の記事っぽい形にまとめてくれます。

もちろん、そのまま公開できるクオリティではないです。
ただ、たたき台があるのとないのとでは記事を書くスピードがまったく違う。
ゼロから書こうとすると手が止まるのに、草稿があると「ここは違う」「これは使える」と判断しながら書ける。
記事の全体像が見えている状態からスタートできるのが大きい。

このブログの記事も、いくつかはこの方法で草稿を作ってから書いています。
コピペではなく、あくまでたたき台として使うのが肝です。

アイデアの拡張に使える

1つのプロンプトからアイデアが拡張していくイメージ

メモ時点のプロンプトにも、面白い使い方が見つかりました。
思考フレームワークを仕込んでおくという使い方です。

「六色帽子思考法で多角的に分析して」

こう設定しておくと、メモを1行書くだけでAIがそのフレームワークに沿って展開してくれます。
自分が書いたのは1行なのに、まったく考えていなかった角度からのアイデアが勝手に出てくる。

水平思考のプロンプトを入れておくのもいい。
それを読んで、「こっちの方向もあるな」と気づいて、さらにメモする。
するとまた展開される。

メモが単なる記録ではなく、発想の起点になります。
自分にとっては、このプロンプト機能が一番の発見でした。

入力は軽くあるべき

使い方が広がる一方で、入力まわりは逆に削ぎ落とすことを意識しました。

音声入力に対応しています。
歩きながらでも、何かしながらでも、思いついた瞬間にサクッとメモできます。
声を出せないときはテキストで書けばいい。

そして入力できるのは、メモか音声だけにしています。
カテゴリ選択のプルダウンも、タグ入力のフィールドもありません。

最初の動機が「分類が面倒」だったのだから、入力側で分類を求めたら意味がない。
メモの中身以外に頭のリソースを使わなくて済む。
この割り切りは意図的なもので、入力のハードルを下げることがメモアプリにとって一番大事だと思っています。

おわりに

ずぼらメモは、自分がメモの整理に挫折し続けた経験から生まれたアプリです。
整理を自分でやらなくていい仕組みにして、プロンプトで使い方を自由に広げられるようにした。

App Storeで公開しています
メモの整理に悩んでいる方は、試してみてください。