KUROMATSU / PINUS THUNBERGII

黒松仕立て図鑑くろまつ

黒松(くろまつ)は、海岸沿いに生え、潮風に強い松です。黒っぽい幹肌が厚くゴツゴツと割れ、葉は太く硬く、雄松(おまつ)とも「盆栽の王様」とも呼ばれます。品種と苗の見方を押さえたうえで、仕立ての形を完成図で一覧にし、黒松に似合う形をまとめました。

ほかの松との見分け方は 松3種の比較 にまとめています。

葉2本1組
長さ10〜15cm。太く硬く、濃い緑。先が鋭く、触ると痛いほどです。
幹肌みきはだ
黒褐色で厚く、ゴツゴツと深く割れます。古木らしさが早く出ます。
根張りねばり
根元から四方へ張る根。地面をつかむような根張りが、黒松の力強さを支えます。
系統と品種

産地と品種

黒松の盆栽の産地は香川県高松市(鬼無・国分寺)です。名前のついた品種は、黒松の2年生の実生苗を台木にした接ぎ木で増やされます。

どんなものか
三河黒松愛知県三河地方(岡崎市周辺)の黒松。樹皮が早くから荒れ、年月で亀の甲羅のように深く割れる。葉は濃い緑で非常に硬い。根元がどっしり太りやすい
錦松にしきまつ。黒松の変種で高松が発祥。樹皮が亀甲状に厚く、めくれ上がるように割れ、若いうちから古木の感じが出る。樹勢は黒松より弱く、針金で樹皮を傷めやすいので強い整枝はしにくい
寿じゅ。八房性(芽数が多い)の黒松
千寿丸せんじゅまる。寿の枝変わりで、高松で見つかった八房の黒松。葉が短く濃い緑で、芽吹きが良く、成長が遅い。芽切りすると細かい芽が吹き、豆盆栽に向く
瑞宝ずいほう。高松の産地で接ぎ木で増やされている、質のよい黒松

八房性は多芽性ともいい、普通の木より小さくまとまり、枝葉が細かくなります。

苗の見方

素材の選び方と、立ち上がり

黒松の苗は、実生の苗と、品種ものの接ぎ木の苗が出回っています。

完成図カタログ

黒松の形と呼び名

松で見かける形を、見どころで3つに分けて黒松で描きました。各カードの印は、下の「黒松に似合う形」での見立てです。印のない形は、別の楽しみ方の形です。同じ形をほかの松で描いたものは 3種の比較 で見られます。

おすすめ

黒松に似合う形

上のカタログの形のうち、黒松の性質がいちばん活きる形を挙げました。○(似合う)の形は、カタログのカードの印で見られます。性質は出典のある記述によるもので、どの形を挙げるかはこのページの見立てです。

黒松らしさが一番出る荒い幹肌と強い樹勢を見せる形

3種の手入れの違いと、形ごとの向き不向きは 松3種の比較 にまとめています。

出典

参考にした情報

完成図は、盆栽の販売サイトなどに並ぶ実物の写真を見て形の特徴を描き起こした模式図です。