赤松と黒松はどちらも庭木や盆栽の代表的な松ですが、幹肌や葉の質がちがい、似合う形も少しずつ変わります。2種の見分け方を押さえたうえで、松の仕立ての形を完成図で一覧にし、それぞれに似合う形をまとめました。
赤褐色の幹肌が薄くはがれ、葉は細く柔らかい。内陸の乾いた土地や山の尾根に生えます。優しく軽やかな印象で、盆栽では細い幹を見せる文人木がよく知られています。
黒っぽい幹肌が厚くゴツゴツし、葉は太く硬い。潮風に強く、海岸沿いに生えます。丈夫で樹勢が強く、盆栽では模様木をはじめ多くの形に仕立てられます。
いちばん手軽なのは葉に触ること。黒松は先が鋭く痛く、赤松はあまり痛くありません。葉と松かさは同じ縮尺で並べています。
| 赤松 | 黒松 | |
|---|---|---|
| 葉 | 長さ7〜12cm。細くやや柔らかく、淡い緑。触ってもあまり痛くない | 長さ10〜15cm。太く硬く、濃い緑。先が鋭く、触ると痛い |
| 冬芽 | 赤茶色の鱗片で覆われる | 白っぽい鱗片で覆われる |
| 幹肌 | 赤褐色で薄くはがれる。老木では赤みのある灰色に | 黒褐色で厚く、ゴツゴツと深く割れる |
| 松かさ | 4〜5cm | 6〜8cm |
| 生える場所 | 内陸の乾いた土地。やせた尾根筋にも生える | 海岸沿い。潮風に強い |
| 盆栽での扱い | 芽摘みや強い剪定に弱く、やや気難しい。芽摘みは黒松より1〜2週早めとされる | 丈夫で育てやすい。樹勢が強く、針金での整枝にもよく耐える |
盆栽と庭木で見かける松の形を、見どころで3つに分けました。各カードの印は、出典でその樹種に向く形として挙げられているものです。◎はその樹種の代表的な形。印のない方も、作れないという意味ではありません。
上のカタログから、それぞれの樹種に向くとされる形を性質とあわせて並べました。赤松は軽やかな形に絞られ、黒松は丈夫さから幅広い形に向きます。
完成図は、盆栽の販売サイトなどに並ぶ実物の写真を見て形の特徴を描き起こした模式図です。